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転職体験記② 中堅企業の経理として何を身に着けたか。簿記、TOEICなどの資格取得も差別化のためにオススメ!

仕事がわからないときの引継ぎのつらさ。その原因も今ならわかる。

仕事を始めた当初はわからな過ぎて嫌になった仕事も、続けていくうちに徐々に慣れていきました。そうしていくうちに、当初仕事がわからなかった自分を思い返して、「こうやって教えてくれればわかったのにな。」「いきなり任せられて放置されたからきつかったんだな」というようなことを考えるようになりました。ですから、社会人経験が浅くて仕事に苦労している皆さんは必ずしもそれが自分自身の能力不足や勉強不足だと思って落ち込む必要はないと思います。その人が仕事ができるようになるかは、その人の能力や努力が半分と、教える人の教え方や業務フローがわかりやすく構築されているかによるからです。当時のチームの課長は折に触れて、「その業務を馬鹿でもできるような業務フローにしろ。」ということをよく言っていました。仕事のチームというのはいつ人が入れ替わるかわかりませんし、人が入れ替わってもその仕事をは続けていかなければいけません。ですから、業務フローを簡単にして、引継ぎを受けた人が少しでも早くその業務をマスターし戦力になれるような仕組みを整えることや、マニュアルを整備して前任者が異動や退職をした場合でも後任者が困らないようにしておく必要があるのです。

しかし、多くの組織ではこれがなかなかできていないのではないでしょうか。これは組織における人事評価や査定の仕組みがまだまだ不十分なためにおこる仕組みで、組織では他人と代替の利かない難しい仕事をやってのける人が評価されやすい(そういう企業が多いと思います。)ためです。そのため、仕事を行う個人としてはノウハウを自分の中にため込んで他のメンバーと比較して自分ができる人間であることを示していく必要があるためです。しかし、会社としてはこれは非常にマイナスなことで、組織で働いていくうえでは社員1個人のスキルや能力が高まるということは大したことではなく、社員がノウハウを提供または構築して会社に提供し、それを縦横に展開することで会社全体の業務が改善されていくことが本当の会社への貢献ということになります。ですから、難しい仕事を難しいままやるのではなく、マニュアルを整備し、業務フローをわかりやすくポイントをまとめて整理、簡素化して、より経験の浅い人でもできるようにしていくことが本当に有能な社員のやるべきことなのです。

 

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中堅企業の経理マンとして経験したこと(基礎編)

中堅企業の経理として、いろいろな仕事を経験させてもらいました。中堅企業の社員は大手企業と違い必ずしも「やる気に満ち溢れた才気あふれる人たち」という感じでもなかったので、仕事をまじめにこなし空き時間にある程度の自己研鑽と勉強を継続することで組織の中ではできる人のレベルに到達することができました。そのため、上司に話も通りやすくなり、比較的自分がやりたい業務を自由に割り振ってもらうことができました。ですから、経理に限らず仕事のスキルを幅広く身につけたい方は、規模の大きすぎない会社で一度働いてみるのもよい選択肢の一つと言えるでしょう。規模が大きすぎなければ、経理領域でも全体を見ていくことができますし、他部署との連携も増えていきますので経理以外にも例えば管理部門である人事部門や総務部門がどういう仕事をしているかが次第にわかってくると思います。

私は経理部門で最初に担当になった仕事は経費の精算(支払い・送金)に関する業務でした。これは各部署から経費の支払いの依頼が経理に寄せられ、その依頼に基づいて取引先に支払いをするというものです。この業務を通じて、法人としての銀行の使い方がよくわかり、個人ではなかなか使う機関のない海外送金についても理解を深めることができました。また、支払いの依頼は社内のあらゆる部署から寄せられるため、支払いの内容や請求書、見積書を見ていくことで、どこの部署でどんなビジネスが行われているのかを知る上で大変勉強になると同時に、そうしたあらゆる費用をどういう会計処理をするか考えていかなけらばいけないので(例えば、費用で処理するにしても売上原価にするのか販売費一般管理費にするのかや、消費税を課税取引にするのか非課税取引にするのかなど)この業務を通じて経理の基礎が身についたように思います。

その後に私が担当した業務は固定資産管理業務でした。私が勤めていた中堅企業は電子機器を取り扱うメーカーでしたので、会社には数万点以上の固定資産が保有されていました。その資産のついて毎月減価償却を行うとともに新たに取得資産の取得価額の計算や、廃却された固定資産の廃却処理などを行いました。固定資産の減価償却は度重なる法人税税制改正の影響により、減価償却の計算方法が非常に複雑になっています。正しい減価償却の計算を行うのはもちろんですが、現場や経営層などに「なぜ今月の減価償却はこうなるのか」「この設備投資計画を元に計算された減価償却はなぜこうなるのか」という質問への回答に毎回苦慮したものでした。また、固定資産を管理する上ではその設備がどのような設備かをある程度把握していく必要があります。私たちが日常目にする固定資産と言えば、住居などをはじめとする建物関係や自動車などでしょうか。メーカーでは、そういったもののほかに様々な製造設備があり、そのほとんどは名前を聞いても一般の人にはわからないものばかりです。そうした生産設備がどのようなものか見たり調べたりするのは思いのほか面白い経験でした。

経理的な面からいうと固定資産管理のポイントに、固定資産の取得価額の計算と修繕費の計上があります。固定資産の取得価額の計算というのは、ある設備を購入した場合にその固定資産をいくらで計上するのか、という問題です。例えば、一般の人にわかりやすい例でいうと住宅を購入する場合には、住宅の本体価格以外にも固定資産税や不動産会社への仲介手数料、固定資産取得税など様々な費用を支払う必要がでてきます。その場合に、固定資産の取得価額としてどこまでを含めるのか、ということです。これが思いのほか奥が深く毎回よく悩まされたものでした。また、修繕費の計上については、その修繕は費用なのか固定資産の取得価額なのか、という問題があります。設備を直した場合に、故障した一部分を直しただけなら修繕費で費用処理をすることになりますが、設備の過半を入れ替えている場合には設備の買い替えとして固定資産計上が必要になります。ここの線引きは非常に難しくケースバイケースなので判断に迷う機会が何度もありました。固定資産に関する業務ではいわゆる「正解のない仕事」「会社としての見解」はなんなのか、というところをまとめて決めていくという仕事が多くありそういっためんで非常に勉強になった仕事でした。

中堅企業の経理として身に着けたこと(中、上級編)

会社での仕事に慣れるにつれて徐々に任される仕事のレベルも上がっていきました。ほかの担当業務と並行して、連結決算や法人税などの業務も担当するようになりました。私が働いていた会社は大手企業の上場子会社で、その会社自身にもいくつか子会社をもっていたため、その会社で連結決算の取りまとめを行い親会社に連結決算の報告をするという形でした。親会社に努めている場合には、子会社から連結決算報告を受けることしかできませんが、私が働いていたのは上場子会社でしたので、連結決算をまとめる立場と、親会社への報告をするという両方の立場を経験することができたのは大変良かったと思います。連結決算では、グループ会社間での取引や債権債務をなかったものとして取り扱うので、親子会社間や兄弟会社でその取引金額や債権債務(売掛金と買掛金、未収入金と未払金など)の金額を照合します。これも取引先が多くなっていくとなかなか金額を合わせるのが大変で、高性能な連結決算システムが必要になってきます。

法人税の業務は決算をまとめるだけの知識に加えて税務の知識が必要になるので経理としてはレベルの高い業務の一つです。中小企業ではなかなかそこまでの知識や経験を持ち合わせた経理人材を採用するのが難しかったり、自社内で教育・育成をするのが難しく税理士事務所にアウトソースするケースも多い業務になります。しかしながら法人税の業務は基本的にどこの会社へ行っても同じルールで申告書の作成、納付を行っているため、一度身に着けてしまえばいろいろな会社で通用する汎用性のあるスキルなので経理に携わっているのであれば一度は法人税申告書の作成業務に携わると良いと思います。

自己研鑽としての資格取得

経理としての実務経験を積みながらそれだけでは不足と考えていた私は就業後や土日の時間を利用して資格の取得を徐々に進めていきました。というのも、将来的に転職をしたくなったり、転職をせざるを得ない状況になった時に、経理の実務経験だけで他の求職者と差別化できるのか、という点に疑問を感じたからです。実務経験を職務経歴書に書いたり、面接で話したりするのはある程度脚色ができてしまうことを考えると必ずしも、実務経験だけで他の候補者と差別化して選んでもらえる人材にはなれないと考えたからです。

資格を取得しているとそれが必ずしも実務能力に身につくわけではありませんが、職務経歴書において絶対的な差別化になります。例えば自分が面接官をしていて、最後に候補者が2人残った場合に簿記の有資格者と資格がない人がいたら確実に有資格者を選ぶでしょう。万が一、有資格者を採用してその人の成績が芳しくなかったとしても、「有資格者なのでできると思った。」という理由(言い訳)をつけることができます。会社の採用とは案外そういうところで決められている側面もあるので、可能ならば資格の取得をしておくことは自分のキャリアにとってプラスになるだろうと考えていました。

そうして学習を続けているうちにTOEICのスコアは900を超すことができ、簿記については学生時代に断念した日商簿記検定1級を取得することができました。その後も資格取得のための学習は継続的に続けており、税理士試験の最難関とよばれる法人税法にも合格することができました。このような資格取得は、職務経歴書に記載することで他の候補者と差別化になるのはもちろん、実務の中でも業務への理解が増すという意味でも私のキャリアにとてもいい効果をもたらしました。