富士通の役員 社長の年収給料まとめ【役員報酬、ボーナス賞与】
富士通の役員はどれくらいの給料年収をもらっているのでしょうか?役員の年収を知ることで「いつかは自分もそれくらい稼ぐぞ」と考えらえるか、「自分はこんなに頑張っているのに役員よりこんなに年収が低いのか。。」と考えるかは自分次第ですね。
本記事では、企業財務での長いキャリアもあるファイナンシャルプランナーの筆者が富士通の役員の年収(役員報酬)についてまとめています。
ワードプレスブログに移転しました。
富士通の年収【役員版】上場企業の役員報酬・ボーナスって実は…
- 富士通の年収【役員版】上場企業の役員報酬・ボーナスって実は…
- 富士通の役員報酬・年収はいくら?
- 富士通の役員の年収体系(賞与・ボーナス)
- 富士通の役員報酬と従業員の年収を比較
- 役員の年収、賞与・ボーナスの決め方
- 富士通の会社概要
- 富士通の業績、財務内容
- 富士通の事業別の業績と事業内容
- 富士通の歴史と沿革
- 富士通の事業譲渡、事業再編の動き
- ニュース
- まとめ(富士通の年収【役員版】)
富士通の役員報酬・年収はいくら?
富士通の役員の役職別の年収は以下の通りです。
役職 | 年収合計 | 人数 | 一人当たり平均 |
取締役 | 373 | 7 | 53 |
監査役 | 72 | 2 | 36 |
社外取締役 | 60 | 5 | 12 |
社外監査役 | 45 | 3 | 15 |
単位:百万円
富士通 有価証券報告書(2019年3月期決算)を元に筆者作成
<年収1億円以上の役員>
年収(役員報酬)が1億円以上の上場会社役員は、有価証券報告書にその報酬の額を開示することとされています。富士通の場合、年収1億円以上の役員は1名です。
氏名 | 役職 | 年収 |
田中 達也 | 取締役 | 128 |
単位:百万円
富士通の役員の年収体系(賞与・ボーナス)
富士通の役員の年収はどのような体系になっているのでしょうか。企業の役員になると、従業員のように給与・ボーナスだけでなく、さまざまな体系で給与・賞与や会社の株式などが支給されます。
<役員報酬の体系>
基本報酬・・・役員の職責や役所に応じて月額の定額を支給
賞与・・・1事業年度の業績を反映した賞与額を支給
業績連動型株式報酬・・・3年間の業績判定期間における連結売上収益と連結営業利益を指標として算出した株式数を割り当てるもの
富士通では業績連動型株式報酬の制度の算出に使用する基準を連結売上収益と連結営業利益に置いています。無意味な企業規模の拡大(売上高)はリスクを伴うので連結売上収益を指標とした報酬は廃止すべきと考えています。同様に連結営業利益も報酬算出の指標に置いていますが、営業利益にはリストラ費用や固定資産の売却など臨時の損益が含まれておらず、税金費用も営業利益には関わってこないことから、タックスプランニングによる企業の租税負担を最適化する施策が実行されないというデメリットがあるでしょう。
<役職ごとの支給額の上限>
役員への報酬は株主総会で決議された上限の範囲内で支給することとされています。
取締役への基本報酬+賞与・・・年額6億円以内
取締役への業績連動型株式報酬・・・年額3億円以内
監査役への基本報酬・・・年額1億5千万円以内
富士通の役員報酬と従業員の年収を比較
次に富士通の役員と従業員の年収を比較してみましょう。
<役員と従業員の年収を比較>
年収(円) | 従業員との比率(倍) | |
役員最高年収 | 128,000,000 | 16.0 |
取締役 | 53,285,714 | 6.7 |
監査役 | 36,000,000 | 4.5 |
社外取締役 | 12,000,000 | 1.5 |
社外監査役 | 15,000,000 | 1.9 |
従業員 平均 | 7,985,114 | - |
富士通 有価証券報告書(2019年3月期決算)を元に筆者作成
富士通の役員と従業員の年収を比較してみると、役員で最高額の年収と従業員平均年収との比率は16.0倍、取締役と従業員平均年収との比率では6.7倍の差があります。この差を見て「いつかは自分もそれくらい稼ぐぞ」と考えらえるか、「自分はこんなに頑張っているのに役員よりこんなに年収が低いのか。。」と考えるかは皆さん次第ですね。
役員の年収、賞与・ボーナスの決め方
役員の年収は、従業員の年収と異なり、その金額を定めるにあたっては様々な規制があります。具体的には役員の年収(役員報酬)は以下の手続きを経て決定されます。
<役員の年収(役員報酬)の決定フロー>
・取締役会等で個々の役員に対する役員報酬を決定する。
・大企業の場合には報酬委員会と呼ばれる役員報酬制度の設計、見直しを行う機関がある場合も
富士通の会社概要
ではここからは富士通の会社概要や業績についても触れていきたいと思います。富士通は1935年に設立され、エレクトロニクス関連製品の製造販売やITサービスの提供を行う企業です。ITベンダーとしては国内トップの実績を誇ります。
<富士通の会社概要>
会社名:富士通株式会社
英語表記:Fujitsu Limited
設立:1935年
本社所在地:東京都港区
業種:電気機器
グループ売上高: 3,952,437百万円(2019年3月期)
グループ従業員数: 132,138人(2019年3月期)
株式上場:東証第一部(1949年上場)
会社HP:https://www.fujitsu.com/jp
富士通の業績、財務内容
富士通の業績、財務内容はどのようになっているのでしょうか。役員の年収は会社の業績と連動する制度設計をしている会社が多いため、業績が上向いていくとそれに伴って役員の年収も上がっていくケースが多いです。
富士通の直近3事業年度の業績
富士通の直近3事業年度の業績は以下の通りです。
決算期 | 17年3月期 | 18年3月期 | 19年3月期 |
会計基準 | IFRS | IFRS | IFRS |
売上高(百万円) | 4,509,694 | 4,098,379 | 3,952,437 |
営業利益(百万円) | 128,861 | 182,489 | 130,227 |
営業利益率 | 2.9% | 4.5% | 3.3% |
経常利益(百万円) | 135,147 | 242,488 | 161,785 |
経常利益率 | 3.0% | 5.9% | 4.1% |
当期利益(百万円) | 88,489 | 169,340 | 104,562 |
利益率 | 2.0% | 4.1% | 2.6% |
自己資本比率 | 27.6% | 34.8% | 36.5% |
富士通の事業別の業績と事業内容
富士通のような大企業は様々な事業を行っているため、会社全体の業績を見るだけでなく事業別の業績を見ることで、どの事業が稼ぎ頭か、どの事業が足手まといになっているかを知ることができます。
富士通では以下の3つのセグメントで事業を展開しています。
・ユビキタスソリューション
・デバイスソリューション
それではここからは、各セグメントごとの事業内容、業績について見ていきましょう。
テクノロジーソリューションの事業内容と業績
<主要製品・サービス>
システム構築、業務アプリケーション、コンサルティング、ATM・POSシステム、アウトソーシングサービス(データセンター、ICT運用管理、アプリケーション運用・管理、ビジネスプロセスアウトソーシング)、クラウドサービス、ネットワークサービス、情報システム・ネットワークの保守・監視サービス、セキュリティソリューション、ストレージシステム、光伝送システム、携帯電話基地局 等
<主要会社>
富士通、富士通フロンテック、富士通ITプロダクツ、富士通テレコムネットワークス、富士通アドバンストエンジニアリング、富士通九州システムズ、富士通総研、富士通ソシアルサイエンスラボラトリ、富士通ビー・エス・シー、富士通マーケティング、富士通エフ・アイ・ピー、富士通エフサス、h時通ネットワークソリューションズ、PFU、Fujitsu Network Communications, Inc.、Fujitsu Services Holding PLC、Fujitsu Fujitsu America, Inc.、Fujitsu Australia Limited、Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V.、FUJITSU ASIA PTE. Ltd.
<業績情報>
売上高(百万円) | 3,052,725 | 3,123,733 |
営業利益(百万円) | 189,389 | 1,879 |
営業利益率 | 6.2% | 0.1% |
従業員数(人) | 112,146 | 112,337 |
一人当たり売上高(百万円) | 27.2 | 27.8 |
一人当たり営業利益(百万円) | 1.7 | 0.0 |
ユビキタスソリューションの事業内容と業績
※ユビキタスソリューションセグメントにおけるユビキタスとは、コンピュータやスマホなどのネットワークにより、いつでも・どこでも・誰でも情報が得られるになることを指します。
<主要製品・サービス>
パソコン
<主要会社>
富士通、トランストロン、富士通アイソテック、富士通パーソナルズ、Fujitsu Technology Solutions (Holding) B.V. 等
<業績情報>
決算期 | 18年3月期 | 19年3月期 |
売上高(百万円) | 663,910 | 509,926 |
営業利益(百万円) | 11,350 | -20,446 |
営業利益率 | 1.7% | -4.0% |
従業員数(人) | 4,722 | 2,992 |
一人当たり売上高(百万円) | 140.6 | 170.4 |
一人当たり営業利益(百万円) | 2.4 | -6.8 |
パソコン事業はコモディティ化が進んでおり、薄利多売のビジネスになりつつあります。富士通もパソコン事業においては苦戦を強いられています。
デバイスソリューションの事業内容と業績
<主要製品・サービス>
LSI(large scale integration・大型集積回路)、電子部品
<主要会社>
富士通セミコンダクター、新光電気工業、FDK 等
<業績情報>
決算期 | 18年3月期 | 19年3月期 |
売上高(百万円) | 560,040 | 487,009 |
営業利益(百万円) | 13,646 | 4,511 |
営業利益率 | 2.4% | 0.9% |
従業員数(人) | 15,666 | 10,762 |
一人当たり売上高(百万円) | 35.7 | 45.3 |
一人当たり営業利益(百万円) | 0.9 | 0.4 |
富士通の歴史と沿革
1935年 富士電機製造株式会社(現 富士電機株式会社)より電話機等の製造・販売権を承継し、富士通信機製造株式会社として設立
1949年 東京証券取引所に上場
1951年 電子計算機の製造を開始
1960年 大阪証券取引所に上場
1961年 名古屋証券取引所に上場
1967年 富士通株式会社に商号変更
富士通の事業譲渡、事業再編の動き
富士通はここ10年ほどで次々に不採算事業の切り離しを行っており、事業の選択と集中を進めています。富士通グループへの転職をする場合には、好業績に事業部に入社するか、将来的な組織再編により他グループへの移籍も視野に入れる必要がありそうです。最近の富士通の事業再編の歴史は以下の通りです。
2009年 ハードディスクドライブ事業を東芝へ譲渡
2015年 個人向けプロバイダ事業をノジマへ譲渡
2017年 カーエレクトロニクス事業をデンソーへ譲渡
2018年 携帯端末事業をポラリス・キャピタル・グループへ譲渡
2018年 個人向けパソコン事業をLenovo Group Limitedへ譲渡
2019年 電子部品や遠視機器の開発・製造・販売を行う富士通コンポーネントネントを独立系投資会社ロングリーチグループへ譲渡
ニュース
2019年8月 2020年4月入社の新卒採用から通年採用を行うことを発表。外国人など多様で優秀な人材の獲得を狙う。
2019年7月 グループ全体でのAI関連人材を現状から7割増やし2500名に増やすと発表
2019年11月 2011年に世界最高の計算速度を誇ったスーパーコンピューターの「京」の後継機である「富岳」の出荷を開始。
まとめ(富士通の年収【役員版】)
富士通の役員の年収は思っていたより高かったでしょうか、低かったでしょうか。日本の大企業で働いているサラリーマンはたくさんいますが、その中で役員まで上り詰めるのは宝くじにあたるような確率です。
今の時代は大企業であってもリストラが当たり前の時代なので、自社での出世を目指しつつも、他社への転職による年収アップを狙ったり、副業を育てたりなど複数の道を考えながらキャリアを積み立てていくのが正解と言えそうですね。